戸籍謄本は、その戸籍に入っている人全員を記載した証明書です。戸籍抄本は、その戸籍に入っている人のうち一部を記載した証明書です。
電算化された戸籍では、戸籍謄本に対応する名称として「戸籍全部事項証明書」、戸籍抄本に対応する名称として「戸籍個人事項証明書」が使われます。依頼文に異なる呼び方があっても、まず「全員か一部か」を確認すると整理しやすくなります。
結論
戸籍謄本(全部事項証明書)はその戸籍に入っている全員を、戸籍抄本(個人事項証明書)はその戸籍の一部の人を記載した証明書です。呼び方が二組あるのは、コンピュータ化された戸籍を「全部(個人)事項証明書」、されていない戸籍を「謄(抄)本」と呼ぶためで、違いはコンピュータ化の有無だけです(鎌倉市の案内)。
最終確認日:2026年10月3日/出典:中野区「戸籍謄本と戸籍抄本の違いはなんですか?」、鎌倉市「戸籍全部事項証明書(謄本)と戸籍個人事項証明書(抄本)はどう違うのですか?」

戸籍証明書は本籍地の市区町村に請求します。2024年3月からは、謄本(全部事項証明書)なら本籍地以外の市区町村の窓口でも取れます(写真は愛知県の日進市役所本庁舎)。写真:Mont Blank rich/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
まず比べるのは記載される人の範囲
| よく使われる呼び方 | 電算化された戸籍での呼び方 | 記載される人の範囲 |
|---|---|---|
| 戸籍謄本 | 戸籍全部事項証明書 | その戸籍に入っている人全員 |
| 戸籍抄本 | 戸籍個人事項証明書 | その戸籍に入っている人のうち一部 |
中野区、鎌倉市、逗子市などの公式FAQは、二つの違いを「戸籍全員」か「一部の人」かで説明しています。証明書名の表記が違っても、この範囲の違いが比較の軸です。
戸籍謄本には誰が記載される?
戸籍謄本は、同じ戸籍に入っている人全員の事項を記載したものです。電算化された戸籍では「戸籍全部事項証明書」という名称が対応します。
「全部」は、自治体にいる全住民や親族全員という意味ではありません。対象となる一つの戸籍に記録されている人の全員という範囲です。
戸籍抄本には誰が記載される?
戸籍抄本は、同じ戸籍に入っている人のうち、一部の人の事項を記載したものです。電算化された戸籍では「戸籍個人事項証明書」という名称が対応します。
名称に「個人」とあっても、実際にどの人の証明が必要かをこの記事から決めることはできません。提出先から指定された範囲を確認します。
全部事項証明書と謄本、呼び方が二組あるのはなぜ?
広島市と鎌倉市の案内では、戸籍事務が電算化されている場合に「全部事項証明書」「個人事項証明書」という名称を使い、従来の「謄本」「抄本」と対応させています。

写真:Kakidai/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)
窓口案内や提出先の説明では、現在も「戸籍謄本(全部事項証明書)」のように二つの呼び方が併記されることがあります。別の四種類があると考えるのではなく、まず二組の対応を確認します。
2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書を請求できる「広域交付」が始まりました。ただし広域交付で取れるのは全部事項証明書(謄本)で、個人事項証明書(抄本)は請求できません。郵送や代理人による請求もできず、窓口で顔写真付きの本人確認書類を見せる必要があります。本籍地が遠い人が抄本を求められたら、本籍地に郵送で請求するか、謄本でもよいか提出先に確認するかを選びます。
依頼文は3段階で確認
- 書類名をそのまま読む。 「謄本」「抄本」「全部事項」「個人事項」のどれが書かれているか確認する。
- 必要な範囲を確認する。 戸籍内の全員か、一部の人かを提出先の案内で確認する。
- 本籍地の自治体に確認する。 実際の証明書名、請求できる方法、必要な持ち物などは自治体の現行案内を見る。
提出先の依頼文が「戸籍証明書」とだけ書かれている、謄本と抄本の両方が併記されている、といった場合は、この記事だけで選ばず、提出先へ必要な記載範囲を確認してください。
費用の面では、たとえば仙台市は全部事項証明書・個人事項証明書とも窓口で1通450円、コンビニ交付なら350円です。家族全員分が必要な手続きで抄本を人数分取ると、謄本1通で済むところを何通分も払うことになるので、範囲を確かめてから請求するのが節約になります。
提出先と自治体で確認する内容を分ける
| 確認したいこと | 最初の確認先 | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 何の手続きに何が必要か | 書類を求めた提出先 | 全員分か一部の人か、発行時期などの条件 |
| 証明書の名称と請求方法 | 本籍地の市区町村 | 窓口・郵送・オンライン等の対応、必要書類 |
| 手元の書類で足りるか | 提出先 | 記載範囲、発行日、原本か写しかなど |
自治体は証明書を交付する側、提出先は必要書類を指定する側です。自治体の一般案内だけで、特定の手続きにその証明書が受理されると断定しません。
取得経路を調べるときの補助情報
証明書のコンビニ交付を検討する場合は、コンビニ交付で取れる証明書と確認順で、住所地・本籍地、対応自治体、利用条件を分けて確認できます。戸籍証明書の対応状況は自治体ごとに確認してください。
公式情報を確認した後、日数や家計の金額を整理する別の作業がある場合は、暮らしの計算ツール一覧から目的に合うものを探せます。計算ツールは、必要な戸籍証明書や請求資格、提出可否を決めません。
必要な範囲が分からないときは?
謄本と抄本のどちらが必要かは、書類を求めた提出先が決めます。「戸籍内の全員分が必要か、特定の人だけでよいか」を提出先に確認してください。

写真:Rs1421/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)
誰が請求できるか、手数料、郵送での請求方法は、本籍地の市区町村のページで確認できます。相続などで古い戸籍までさかのぼる必要がある場合も、本籍地の窓口に相談すると必要な通数が分かります。
この記事のポイント
- 戸籍謄本(全部事項証明書)は戸籍に入っている全員、戸籍抄本(個人事項証明書)は一部の人を記載。違いは呼び方の時代だけ
- 2024年3月からの広域交付で、謄本は本籍地以外の窓口でも取れる。抄本は広域交付の対象外
- 手数料の例:仙台市は1通450円(コンビニ350円)。必要な範囲を確かめてから請求すれば取り過ぎを防げる
よくある質問
全部事項証明書と戸籍謄本は別物ですか?
広島市などの公式FAQでは、電算化された戸籍の全部事項証明書は戸籍謄本に対応する名称として案内されています。どちらも対象となる戸籍内の全員を記載する範囲です。
個人事項証明書と戸籍抄本は別物ですか?
電算化された戸籍の個人事項証明書は、戸籍抄本に対応する名称です。戸籍内の一部の人を記載する範囲として案内されています。
「全部」は家族全員という意味ですか?
ここでいう全部は、対象となる一つの戸籍に入っている人全員という意味です。住所が同じ世帯全員や、親族全員を自動的に含むという説明ではありません。
どちらを取ればよいですか?
必要な記載範囲は手続きごとに異なるため、この記事から決められません。提出先に「戸籍内の全員が必要か、特定の人だけでよいか」を確認し、本籍地の自治体の案内へ進んでください。
公式情報・出典
- 中野区「戸籍謄本と戸籍抄本の違いはなんですか?」(更新日2026年3月27日、2026年10月3日確認)
- 鎌倉市「戸籍全部事項証明書(謄本)と戸籍個人事項証明書(抄本)はどう違うのですか?」(更新日2026年3月12日、2026年10月3日確認)
- 広島市「戸籍全部事項証明と戸籍謄本はどう違うのですか」(更新日2025年3月19日、2026年10月3日確認)
- 逗子市「戸籍の全部事項証明書と個人事項証明書の違いは何ですか」(更新日2023年2月28日、2026年10月3日確認)
- 港区「戸籍全部事項証明書と戸籍個人事項証明書の違いについて知りたい」(更新日2024年2月5日、2026年10月3日確認)
- 法務省「戸籍法の一部を改正する法律について(令和6年3月1日施行)」(広域交付、2026年10月3日確認)
- 仙台市「コンビニ交付サービスについて」(更新日:2026年9月1日、2026年10月3日確認)
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アイキャッチ画像 写真:Mont Blank rich/Wikimedia Commons(CC BY-SA 4.0)。本文中の写真の出典は各写真の下に記載しています。