原数値と季節調整値の違い

原数値は季節調整を行う前の公表系列、季節調整値は毎年繰り返す季節変動を統計的に除いた推計系列です。月次統計では、季節調整値を前月と、原数値を前年同月と比べるのが一般的です。ただし、最終的には各統計表の系列名と注記に従います。

結論

原数値は季節的な変動を含んだままの数値で、季節調整値は原数値から季節変動を除いた数値です。総務省統計局は、原数値で比べるときは1年前の同じ月と比較し、前月などと比べるときは季節調整値を使うのが一般的と説明しています。完全失業率は主に季節調整値、就業者数は主に原数値で公表されています(労働力調査)。

最終確認日:2026年10月3日/出典:総務省統計局「原数値と季節調整値」、総務省統計局「季節的な動きを除去」

袋に包まれて売り場に並ぶ巨峰の房

原数値と季節調整値を比較

二つの値は、同じ調査結果から公表されていても目的が異なります。まず季節要因、比較時点、調整後にも残る動きをそろえて見ます。

表は横にスクロールできます。
原数値と季節調整値の主な違い
見る項目原数値季節調整値確認ポイント
季節要因季節変動を含む季節変動を統計的に除く系列名に調整済みの表示があるか
公表上の意味季節調整前の規模や水準を示す時点間の動きを比べやすくする推計値実数、指数、率などの単位をそろえる
一般的な比較前年同月と比べる前月と比べる同じ系列と比較期間を使う
注意点毎年の季節性が同じとは限らない不規則な出来事の影響は残る脚注、地域範囲、特殊要因を見る

「原数値」は、まったく加工されていない生データという意味ではありません。集計や推計を経た公表値のうち、季節調整を行っていない系列を指します。

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原数値とはどんな数値?

月次統計には、気候、祝日、年度替わり、社会習慣などの影響で、毎年似た時期に増減する動きがあります。総務省統計局は、こうした繰り返しを季節変動と説明しています。原数値には、その季節変動が含まれます。

年末の谷中銀座商店街の通り
年末の買い物のように、毎年同じ時期に増減する動きが季節変動です。原数値にはこの動きがそのまま含まれます(写真は2016年12月の東京・谷中銀座)。
写真:Ana Paula Hirama/Wikimedia Commons(CC BY-SA 2.0)

就業者数のように人数規模の水準を見る場合は、原数値が主に公表され、季節調整値も併記されることがあります。何を主系列とするかは統計によって異なるため、表題と系列名を確認します。

季節調整値とはどんな数値?

季節調整値は、原数値から毎年繰り返す季節的な動きを統計的な方法で除いた推計値です。月ごとの季節性が違っても、直前の月との変化を比べやすくするために使われます。

スーパーマーケットの野菜売り場
旬の野菜の出回りのように毎年繰り返す動きを、統計的な方法で取り除いたのが季節調整値です。前月との比較に向きます(写真は兵庫県のスーパーの野菜売り場)。
写真:Corpse Reviver/Wikimedia Commons(CC BY-SA 3.0)

ただし、季節調整値から除かれるのは、採用された方法で推計した季節要因です。一時的な出来事や不規則な変動まで、すべて消えるわけではありません。

原数値と季節調整値はどの比較に使う?

前月と比べるときは?

前月比を見るときは、季節調整値どうしを比べるのが一般的です。原数値の前月差には、対象月ごとの季節性の違いが重なるためです。四半期統計では、季節調整済みの前期比が示されることもあります。

前年同月と比べるときは?

前年同月比を見るときは、原数値どうしを比べるのが一般的です。同じ月を比べることで、例年の季節性をある程度そろえられます。ただし、曜日配列や祝日、制度変更、突発的な出来事が異なる場合は、注記も確認します。

家計簿にも同じ考え方が使えます。たとえば暖房を使う月は電気代が上がりやすいので、1月の電気代が12月より3,000円増えても、それだけで「使いすぎ」とは言えません。去年の1月と比べて増えたかどうかを見るのが、原数値を前年同月と比べる見方です(金額は説明のための例です)。

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公式統計表を確認する順番

数字を読む前に、次の五つを同じ資料内でそろえると、別の系列を誤って比べにくくなります。

  1. 資料名を見る:どの調査・統計の結果かを確認します。
  2. 系列名を見る:原数値、季節調整値、季節調整済みのどの表示かを読みます。
  3. 単位を見る:人数、金額、指数、率などをそろえます。
  4. 比較時点を見る:前月、前期、前年同月のどれかを確かめます。
  5. 注記を見る:改定、地域範囲、基準年、特殊要因の説明を確認します。

季節調整後にも残る動きがある

季節調整は、毎年繰り返す動きを除くためのものです。災害、制度変更、急な需要変化など、その年だけの出来事まで自動的に取り除くものではありません。経済産業省の解説も、通常年と異なる動きが統計に表れる例を示しています。

大きな増減を見つけても、季節調整済みだから直ちに基調や原因が分かるとは限りません。公式資料の特殊要因や地域範囲の注記を読み、原数値と季節調整値を混ぜず、同じ系列どうしで比較します。

この記事のポイント

  • 原数値は季節的な変動を含んだままの値、季節調整値は季節変動を統計的に除いた値
  • 前月比は季節調整値どうし、原数値は前年同月と比べるのが一般的
  • 季節調整でも、災害や制度変更などその年だけの動きは取り除かれない

よくある質問

前月と比べるときはどちらを使いますか?

総務省統計局は、前月や前々月と比べる場合は原数値に季節変動による変化分が含まれるため、季節変動を除いた季節調整値を使うと説明しています。

原数値はどう比べるのが一般的ですか?

原数値をみる場合は、季節変動の影響を考慮して1年前の同じ月と比較するのが一般的です(総務省統計局「原数値と季節調整値」)。

労働力調査ではどちらの数値が公表されていますか?

完全失業率のように月々の動きが重要なものは主に季節調整値、就業者数のように水準が重要なものは主に原数値を公表し、それぞれもう一方も併せて公表しています。

公式情報・出典

  1. 総務省統計局「季節的な動きを除去」:取得時のページ更新情報2025年3月4日。季節変動と季節調整の基本的な意味について。
  2. 総務省統計局「原数値と季節調整値」:取得時の文書更新情報2022年2月11日。二つの系列の公表上の使い分けについて。
  3. 総務省統計局「季節性を考慮した原数値の比較」:文書日付2020年6月17日。前月比較と前年同月比較の考え方について。
  4. 沖縄県「原数値と季節調整値」:ページ更新日2024年1月11日。月次雇用統計の季節変動と比較期間について。
  5. 経済産業省「季節調整とは何か?;経済統計の周期性を考える」:記事日付2021年11月26日。経済統計の一年周期と季節調整の使い方について。

上記の日付は、取得時に確認した公式ページまたは文書の更新・掲載情報です。特定指標の評価や将来予測を示すものではありません。いずれも2026年10月3日に再確認しています。

公式表で同じ系列・同じ単位の二つの値を確認し、単純な増減率だけを整理したい場合は、KurashiQの割合計算も利用できます。季節調整、系列の選択、指標や傾向の評価を行う機能ではありません。

アイキャッチ画像 写真:作者不明/Wikimedia Commons(CC0)。本文中の写真の出典は各写真の下に記載しています。

この記事は、公式資料の確認、構成整理、文章の点検にAIを補助的に使用しています。出典と確認日を明示し、自動の編集・事実確認を行っています。