ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄附をすると、寄附額のうち2,000円を超える部分が所得税と住民税から原則として全額控除される制度です(一定の上限があります)。このページでは、控除額のしくみ、上限の考え方、ワンストップ特例と確定申告の違い、年末の期限を、総務省と国税庁の公式情報に沿って整理します。
このページの要点
- 自己負担は原則2,000円:上限の範囲内なら、寄附額から2,000円を引いた額が所得税と住民税から控除されます。上限を超えた分は控除されず、自己負担が増えます。
- 上限を決めるのは住民税:住民税の「特例分」が住民税所得割額の2割を超えないことが、全額控除の条件です。年収・家族構成・ほかの控除で上限は変わります。
- 期限:その年の1月1日から12月31日までの寄附がその年分の対象です。ワンストップ特例の申請書は寄附した翌年の1月10日までに各自治体へ届くように提出します。
- ワンストップ特例が使える人:確定申告が不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内の人です。医療費控除や住宅ローン控除の1年目などで確定申告をする人は、ふるさと納税も確定申告に含めます。
控除額はどう決まる?3つの控除の早見表
総務省の説明では、ふるさと納税の控除は「所得税からの控除」「住民税からの控除(基本分)」「住民税からの控除(特例分)」の3つに分かれます。
| 控除 | 計算式 | 上限・注意点 |
|---|---|---|
| 所得税からの控除 | (寄附額−2,000円)×所得税の税率 | 対象となる寄附額は総所得金額等の40%まで。令和19年中の寄附までは、税率に復興特別所得税を加えた率を使います |
| 住民税からの控除(基本分) | (寄附額−2,000円)×10% | 対象となる寄附額は総所得金額等の30%まで |
| 住民税からの控除(特例分) | (寄附額−2,000円)×(100%−10%−所得税の税率) | 住民税所得割額の2割が上限。超えると(寄附額−2,000円)の全額は控除されません |
3つを合計すると、上限の範囲内では「寄附額−2,000円」と同じ額になります。たとえば総務省の例では、年収700万円の給与所得者で扶養家族が配偶者のみの人が30,000円を寄附すると、28,000円が所得税と住民税から控除されます。
上限額(控除上限)の考え方
全額控除される寄附額の上限は、住民税の特例分が「住民税所得割額の2割」に収まるかどうかで決まります。住民税所得割額は、前年の所得や扶養家族、社会保険料、生命保険料などの控除で変わるため、同じ年収でも人によって上限が違います。
- 正確な上限に近づけるには、その年の源泉徴収票(見込み)や住民税の決定通知書の「所得割額」を使って試算します。
- 住宅ローン控除や医療費控除を受ける年は、所得税や住民税の額が変わり、上限が下がることがあります。
- 総務省は、具体的な計算はお住まいの市区町村に問い合わせるよう案内しています(自治体によっては上限額を答えられない場合があります)。
令和8年度の地方税制改正では、住民税の特例控除額に193万円(給与収入1億円相当)の上限が新たに設けられ、令和9年(2027年)の寄附分から適用されます(総務省資料)。2026年中の寄附には、この定額上限は適用されません。
ふるさと納税に使える計算機
KurashiQの計算機(別サイト)に移動します。結果は入力した条件による目安で、公式の税額や支給額を確定するものではありません。
ワンストップ特例と確定申告の違い
| 項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 使える人 | 確定申告が不要な給与所得者等で、寄附先が5団体以内 | だれでも(6団体以上でも可) |
| 手続き | 寄附ごとに、寄附先の自治体へ申請書を提出(一部自治体はマイナンバーカードでオンライン申請可) | 住所地の所轄税務署へ確定申告。自治体が発行する寄附の受領書が必要 |
| 期限 | 寄附した翌年の1月10日まで(必着) | 原則として翌年3月15日まで(還付申告は翌年1月1日から5年間) |
| 控除のされ方 | 所得税からは控除されず、全額が翌年度の住民税から控除 | 所得税分はその年の所得税から還付、住民税分は翌年度の住民税から控除 |
ワンストップ特例を申請していても、医療費控除などのために確定申告をする場合や、寄附先が6団体以上になった場合は特例が無効になります。その年のふるさと納税の全額を寄附金控除に含めて確定申告をします(国税庁「寄附金控除(ふるさと納税など)を受けられる方へ」)。また、年末調整などで所得税が0円になっていて住民税からのみ控除を受ける人は、市区町村に住民税の申告をする必要があります。
年末に確認したい期限と注意点
- 12月31日:その年分の控除の対象になる寄附の期限です。支払方法によっては入金の確定が遅れることがあるため、年末は余裕をもって手続きします。
- 翌年1月10日:ワンストップ特例の申請書が自治体に届く期限です。間に合わなかった場合は確定申告で控除を受けます。
- 引っ越しをしたとき:申請書の提出後に住所や氏名が変わった場合は、変更届出書を寄附先の自治体に提出します(同じく翌年1月10日まで)。
- ポイント付与の禁止:2025年10月1日から、寄附に伴ってポイント等を付与する事業者を通じた募集は、総務省の指定基準で禁止されています(通常の決済に伴うクレジットカードのポイントなどは除く)。
よくある質問
ふるさと納税は年末調整で控除されますか?
年末調整では控除されません。ワンストップ特例を申請するか、確定申告で寄附金控除を受けます。
上限を超えて寄附するとどうなりますか?
寄附自体はできますが、上限を超えた部分は控除されないため、実質の自己負担が2,000円を超えます。
同じ自治体に2回寄附した場合、5団体の数え方は?
同じ自治体への複数回の寄附は1団体として数えます。ただし、ワンストップ特例の申請書は寄附ごとに提出が必要です。
関連するテーマ
公式情報・出典
- 総務省「ふるさと納税の概要」(2026年10月1日確認)
- 総務省「税金の控除について」(2026年10月1日確認)
- 総務省「ふるさと納税の流れ」(2026年10月1日確認)
- 総務省「ふるさと納税の指定基準の見直し等」(2026年10月1日確認)
- 総務省「令和8年度地方税制改正(案)について」(2026年10月1日確認)
- 国税庁「寄附金控除(ふるさと納税など)を受けられる方へ」(2026年10月1日確認)
このページは一般的な情報の整理です。控除上限や手続きの可否は、寄附先の自治体、お住まいの市区町村、所轄の税務署で確認してください。